“シチズン電波時計「Cal.7400」”が、2018年度の重要化学術史資料として未来技術遺産(独立行政法人国立科学博物館が選定)に登録されることになった。
シチズン電波時計「Cal.7400」は、シチズン時計株式会社(本社:東京都西東京市・代表取締役社長:戸倉敏夫氏)が1993 年 5 月に発売した標準電波を受信して時刻を合わせる電波時計である。「受信用アンテナのサイズが大きく、時計上面に配置しないと受信できない」といった制約を上面中央にアンテナを配置するユニークなデザインとして昇華し解決。世界で初めて日本・ドイツ・イギリス3局を切り替え受信する多局受信を実現して多局対応の電波時計のさきがけとして発売され、シチズン時計の主力製品である電波時計、衛星電波時計の技術の発展を支える礎となった。
シチズン時計の創業は1918年。尚工社時計研究所として創立された小さな工場が原点となり、当時培われたモノづくりの精神を現在まで継続。シチズンでは時計はもとより、時計を構成するパーツ、パーツを生み出す機械まで製作している。
現在の社名に繋がる「CITIZEN」の名前を持つ初代懐中時計を開発したのが1924年(1930年シチズン時計株式会社創立)。市民=シチズンの名前には「市民(=自由な精神のもとに改革を推し進める文化の担い手であり、日々挑戦し、変化を起こし続ける人たち)に愛されるモノづくり」という意味合いがこめられているという。
未来技術遺産は「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存を図るとともに、科学技術を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的として、国立科学博物館が2008年度より実施している登録制度になる。
未来技術遺産にはこれまで 240 件が登録されており、今回新たに 19 件が登録。シチズン電波時計 「Cal.7400」の未来技術遺産の登録は、シチズングループとしても初のもの。未来技術遺産の登録証授与式は、2018 年 8 月 28 日(火)に国立科学博物館で執り行われることになっている。