2021年5月11日、イギリス・ウェストミンスター宮殿で開催された国会開会式において、エリザベス女王が『BOUCHERON(ブシュロン)』制作のアクアマリンのダブル クリップブローチ(アクアマリンとオバール、バゲット、ラウンド カットダイヤモンドが施されたアール・デコスタイルのペア ブローチ)を着用し登場した。
ロイヤルコレクションの一部であるこのダブル クリップブローチは、エリザベス女王の叔父、ケント公爵が1937年にロンドンで購入し、1944年にエリザベス女王の両親であるジョージ6世とエリザベス皇后より、18歳の誕生日プレゼントとして贈られた作品である。
『BOUCHERON(ブシュロン)』がパレ・ロワイヤルに最初のサロンをオープンしたのは1858年のことになる。創業者フレデリック・ブシュロンによる革新的なジュエリーがパリ万国博覧会で金賞を受賞したのは1867年になり、1889年にはパリ万国博覧会に「クエスチョンマークネックレス」を出品、1900年にもパリ万国博覧会で金賞を受賞。国内外にアール・ヌーヴォーの先駆者として知られるようになり、1800年代後半からはモスクワに初のブティックをオープン(1897年)するなどグローバルな展開も行われるようになった。
1893年には本店をヴァンドーム広場26番地に移し、パリ・ヴァンドーム広場に出店した最初のコンテンポラリージュエラーとなり、1928年にはこのブティックにパティアラのマハラジャがダイヤモンドやルビー、エメラルドを持参し、149点ものジュエリーが創られている。
英国王室とのかかわりも古くからあり、1921年には後にエリザベス皇后の愛用ジュエリーの1つとなるダイヤモンドのティアラも制作している。