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プレシャスWebマガジン一覧 > 2010年01月25日

■中国ダイヤモンド市場の現状2008年
 
 
 
 
 
 
(ジャパンプレシャス50号2008Summer掲載)
 
 
 
中国、世界第2位のダイヤモンド消費国へ
 
 2008年5月に、第33回世界ダイヤモンド大会WD(33rdWorldDiamond Congress)が中国上海にて開催され、期間中に、恒例の上海国際宝飾展も5月8日~11日まで上海新国際展覧センターで行われた。  市場進出の第一歩として、ブランド各社は参入地の選択を最重要視している。中国は独特な地域特性があり、各地域により市場環境や競争体制が大きく異なり、如何にして自社ブランドの今後の展開に適切な参入地を選ぶかが重要な課題の一つになっている。
 
 国際ダイヤモンドフォーラム2007の成功に続き、上海は再び世界ダイヤモンド業界からの脚光を浴び、中国ダイヤモンドビジネスの今後の発展、及び世界マーケットとの交流を促す大きな舞台となっている。近年来の中国ダイヤモンド市場の飛躍的成長がWDC主催権を取得した大きな原因の一つだと考えられる。
 
 アントワープのHRD最新発表によると、昨年中国のダイヤモンドジュエリーの市場規模は12.35億米ドル(約1,200億円)に達し、アジア最大のダイヤモンド消費国となっている。更に、2010年の中国ダイヤモンド市場規模は18億米ドル(約1,800億円)になる予測をされている。
 
 また、中国国内で開催される大型贅沢品展示会では、高額品売り切れの場面が続出する等、中国国民のダイヤモンドに対する消費意識が今や単純な贅沢品から必需品へと変わり、米国に次ぐ世界第二のダイヤモンド消費国の地位を確立した。
 
 
 ダイヤモンド輸入関税の減税
 
 中国ダイヤモンド輸出入に関する唯一の管轄機関として、上海ダイヤモンド取引所(Shanghai Diamond Exchange以下SDE)が2006年7月より、ダイヤモンドルースの輸入関税を従来の17%から4%に下げる大幅減税政策を発表し、海外からの注目を集めた。短期間で取引所の会員数が倍増し、多大な人気を見せつけた。
 
SDE税関ベースの統計数字によると、2007年のダイヤモンドルースの輸出入額及び会員間取引の総額は前年比53.4%の10.02億米ドルとなり、SDE設立以来、初めて10億米ドルを超えたという。
 
中には、取引所内のメンバー会員間同士の取引も安定な成長を見せ、前年比56.3%の5,633.59万米ドルに上った。また、ダイヤモンドの輸入先として、税収政策調整前の9ヵ国より調整後の19ヵ国にまで増えてきた。現在SDEの会員数は211社であり、その内、外資系業者が約70%を占めている。
 
更にその内訳を見てみると、ベルギーやインド、それにイスラエルの業者がメインとなっており、この3カ国からの輸入が全体の約9割も占めている。
 
海外業者の市場参入は中国ダイヤモンド産業の発展を促している。中国進出の前に、中国ダイヤモンド業界に取り巻く市場環境を認識し、把握しておく必要が有る。とりわけ、中国独特な地域格差及びブランド格差を十分に理解しなければならない。
 
 
  
中国ではFOREVERMARKの販促に力が入れられている。
 
 
 
【地域格差】について―桁違いに成長する上海
 

 上海市統計局2008年2月の最新発表によると、昨年度の上海一人当たりの国内総生産(GDP)は対前年比13.3%増の8,594米ドルとなり、連続16年の2桁成長を実現し、また、上海市民家庭の一人当たり可処分所得は前年比14%増の2.3万元に上ることが分かった。  

 “東方のパリ”と呼ばれる上海は間違いなく中国国内で最も消費能力が高く、また贅沢品消費ポテンシャルの高い都市の一つになっている。その為、数多くの海外スーパーブランドが上海を中国展開の出発点として選び、中にはアジアの旗艦店を上海に設置しているケースも良く見られる。

 その成功事例として、ベルギーの『TESIRO社』が挙げられる。2005年11月に中国進出を果たした『TESIRO社』は現地法人TESIRO通霊社を設立し、僅か2年間の内に上海、北京、浙江、江蘇、山東、安徽など中国の各主要都市に専門店を80店舗以上オープンさせ、大成功を収めた。昨年末に中国進出2周年の記念キャンペーンを開催し、業界の注目を集めた。

 長い歴史や豊富な資金力、それに鉱山の資源をバックに、カリナンダイヤモンドの発掘で有名な南アフリカブランド『Diamond SA社』が90年代後半から中国への進出を試み、SDEのメンバー入り後、2003年10月に上海旗艦店をオープン。

  格調高いギャラリー式の店舗作り、高級感溢れる商品デザイン、透明ガラスの職人工房、商品を一から作るフルオーダーシステム等、Diamond SA社が独特な経営手法やブランド戦略で急成長を実現し、富裕層の中では絶大の人気を誇っている。旗艦店の成功後に、上海浦東店や上海新天地店に続き、マカオにも新店舗をオープン。そのほか、北京などの他都市への進出も戦略に入れている。 

 

   

Diamond SA社店舗概観

Diamond SA社店内 

 

市場をリードする中国の宝石チェーン店

  更に中国進出の際に無視できないライバルはゴールド製品をメインに展開している地元の老舗ブランドである。上海有名な『老鳳翔』、『老ミョウ黄金』、『亜一金店』などが挙げられる。

 長い歴史やリーズナブルな値段で中高年消費者の中で高い認知度を誇り、ジュエリー業界にも多大な影響力を持っており、従来のジュエリー市場のリード格として活躍していた。

 昨年度のゴールドブームはダイヤモンド市場に大きな影響を及ぼした。それにも拘らず、上海のある老舗宝飾店の売上統計によると、人気度ではゴールド製品に劣っているが、ダイヤモンド商品の売上は2006年の倍にも増えており、特に1カラット以上の大粒石の売り切れも暫く続いたと言う。また、DTCの関係者は、2008年上半期の中国ダイヤモンド小売市場は前年比約10%の成長を見込んでいる。

  中国進出の最適地として、上海や北京などの大都会は大手ブランドにとっては無論、中小ブランドの場合も特徴の有る経営手段により、大都市で成功を収める可能性は十分存在している。逆に、競争力の激しい大都会を避け、ポテンシャルのある2級都市から攻めていく戦略も考えられる。

 

【ブランド力格差】について―中国進出のポイント

  同じ店舗で同じ条件の下においても、販売結果が大きく異なるのがブランドの総合力の格差によるものである。

  現在、数少い香港及び台湾系のブランドがハイエンドダイヤモンドジュエリー市場シェアの多くを占めている。『周大福』、『周生生』、『謝瑞麟』、『六福珠宝』など、現地で活躍している香港の有名ブランドがデザイン力や商品力などのアドバンテージを持ち、積極的に中国市場の参入を果たしている。デパートやショッピングモール等の商業施設は売上向上の為、どんどん良いポジションを有名ブランドにシフトさせた結果、強者が更に強くなる傾向となっている。

 中国国内で最も有名な香港ブランドは1929年に成立した『周大福』である。1964年にデ・ビアス傘下のサイドホルダー125社中の1社として、メンバー入りを果たした。1998年に中国1号店をオープンして以来、急成長を実現し、その販売ネットワークは香港、マカオ、中国本土100都市をカバー、計600店以上を有している。

 2007年『周大福』は3年連続で“年度ベースのダイヤモンドジュエリー市場シェアNo.1”を誇り、“中国で最も価値のあるブランド500”ランキングの56番と順位されている。ブランド価値は86.06億から108.93億に上昇し、ランキングトップ200の中の唯一の宝飾ブランドとして活躍されている。

 海外ブランドとして中国市場に初参入の際、人脈パイプや市場販売ルートも限られており、ローカルブランドとの競争において、劣勢な立場に立たされる場合もある。地元ブランドとのコラボレーションや経営戦略上の業務提携など、如何に既存店舗との共存共栄を図りながら、激しい市場競争を勝ち抜いていくのが、海外ブランドの大きな課題の一つになっている。

  世界ダイヤモンド大会の開催により、中国市場が益々注目の的となり、海外ブランドの積極的な中国進出も簡単に予測される。しかし、中国独特な地域格差や市場発展の不均衡による課題も山済みである。中国の市場特徴を良く理解し、慎重且つ果敢な企業活動を期待している。
(文:Jane Fang)


 

Chow Tai Fook周大福のダイモンドジュエリー


香港六福のダイモンドジュエリー


香港俊文宝石店のダイモンドジュエリー

参考資料:
www.cnsde.com上海ダイヤモンド取引所
www.worlddiamondcongress2008.com第33回目世界ダイヤモンド大会
www.tesiro.com通霊
www.diamondsa.net南アフリカダイヤモンド
www.chowtaifook.com周大福
 

 

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