宝飾・時計・メガネ、きもの、寝具に特化したマーケティング・企画広告会社「㈱PR現代」(東京・日本橋、下島 仁 社長)は、主宰する宝飾小売業経営者が集うマーケティング研究会「JMG(ジュエラーズ・マインド・ジャパン)」の定例研究会を6月15日(水)リアルとオンラインにて開催。第1部のお客さまづくり研究部会と第2部の本会の二部構成で展開した。
第一部ではお客さまづくり研究部会の第2回目となる「新規客づくり・リアル編」を参加各店からの施策発表形式で行った。それぞれ独自の販売戦略やユニークな工夫を発表。他店の取り組みを知る貴重な機会となった。
続く本会では下島社長より、最近の消費者の傾向と共に、夏に完全移行となるGA4(Googleアナリティクス)についての注意喚起があった。JMG会長の花島路和氏からは、大手ジュエリー店の売り上げ増加を例にとり、コロナ禍だからと諦めないことが大切と説いた。
続いてJMG顧問であり(一社)日本宝飾品貿易協会 代表理事の深澤裕氏は、貴金属やダイヤ、色石など素材価格の上昇に対して客単価が下がっている現状に触れ、消費者の購買意欲がさほど上向いていないと分析。ブライダル組数は例年並みに戻るも予算減少の可能性を警告した。また2倍近くの価格上昇を見せている真珠については、稚貝大量死被害の影響の急回復は見込めないことから今後も値上がりは続くと予想。養殖業者の現状を考えると値上がりは悪いことではないと述べた。ダイヤモンドのトレーサビリティ、ルイ・ヴィトン社のラボグロウンダイヤへの投資についても言及。ライブ販売沈静化の傾向から実店舗を持つ小売店の底力が発揮できると説いた。
ゲスト講演では(株)デジタルジュエリー 佐藤善久代表が『⼩売業から製造⼩売業へ。持続可能性の⾼い事業転換について』として、マスカスタマイゼーションを⽣き抜くマイクロファクトリーの優位性を説いた。時代の変遷が一気に進む歴史を繙き、現代日本での異業種参入の事例からも、宝飾小売業の業態に製造業の要素を取り入れるメリットについて解説し、新たな顧客獲得のために導入を勧めた。事業再構築補助金を活用し、すでにマイクロファクトリーの導入を決定している会員店のリアルな感想も披露した。
次回は「JMGオンラインセミナー」として、8月17日(水)、ゲスト講演にパーソナルジュエラー協会 代表のshiho氏らを迎え、ファン客づくりのための施策や各メーカーの最新情報などをテーマに開催する。