主要市場における2025年のプラチナジュエリー需要は堅調に成長
プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)は、「プラチナ・ジュエリー・ビジネス・レビュー(PJBR)2026」をオンラインで発表した。今年のテーマは「レジリエンスの1年」。2025年の主要市場におけるプラチナジュエリー需要と2026年の見通しをまとめたもので、2025年は回復力を意味する「レジリエンス」という言葉が最もふさわしい、極めて好調な年であったと総括している。

ティム・シュリックCEO
PGIのCEOであるティム・シュリック氏は、2025年について「世界的な混乱により予測が難しく、対応も困難な激動の年だった」と振り返った。ジュエリー業界が直面した課題として、過去最高水準まで上昇した金価格と、米国政府による輸入関税の影響を挙げた。特に金価格の高騰は、中国やインドで来店客数の減少を招いたほか、プラチナのリースレート上昇による製造マージン圧迫も見られた。また、米国の関税政策は世界的な不透明感を生み、輸出向け製造比率の高い中国とインドに大きな影響を与えたという。
その一方で、プラチナジュエリーは2025年にすべての主要市場で成長を達成し、2019年以来最高水準の需要を記録した。
■日本:人口比世界一の市場規模を誇る国で、プラチナは高い水準から上昇を続ける
日本市場では、一人当たりのプラチナジュエリー需要が世界で最も高い市場として、2025年の需要は前年比2%増の38.3万オンス(11.9トン)となった。小売数量ベースでのシェアも28%に拡大し、ゴールドジュエリーが11%減少するなかで存在感を高めている。高騰する金価格を背景にホワイトゴールドからのシェア移行が進み、喜平チェーンなど重量感のある商品の需要も安定して推移した。また、若い新富裕層による自己購入需要の拡大も成長を後押しした。
PGIが展開する「プラチナ・ウーマン」プログラムでは、価格上昇局面にもかかわらず、数量ベースで6%増、金額ベースで23%増と堅調な成長を記録した。
■中国:製造業の活況がプラチナ市場に最も変動の激しい1年をもたらす
中国市場では、2025年のプラチナジュエリー製造量が前年比56%増の58.9万オンス(18.3トン)となり、2022年以来最も好調な年となった。金価格上昇を背景に新規参入が進んだことが主な要因で、小売市場も7%成長した。また、「520(愛の日)」キャンペーンでは平均売上が17%増加し、ECサイトJD.comでのキャンペーンでは参加ブランド全体で110%増、上位8ブランドでは230%超の成長を記録した。
■米国:世界最大の高級品市場において、プラチナは引き続き同カテゴリーのベンチマークを上回る実績を維持
米国市場では、2025年のプラチナジュエリー需要が前年比6%増の47万オンス(14.6トン)となり、ゴールドジュエリーの10%減少とは対照的な結果となった。金との価格差を背景にホワイトゴールドからプラチナへの転換が進んだほか、婚約指輪市場ではラボグロウンダイヤモンドの普及により、貴金属部分への支出拡大も見られた。
■インド:プラチナ需要の伸びが最も著しい市場において、強い逆風にもかかわらず底堅さを維持
インド市場では、プラチナジュエリー製造量が前年比4%増の28万オンス(8.7トン)となった。米国関税の影響により成長率は鈍化したものの、国内需要ベースでは10~15%の成長を記録しており、中東市場への展開も進んでいる。
2026年についてPGIは、日本市場は安定的に推移し、日常需要に加えてブライダル需要も回復基調が続くと予測。中国市場は2025年以前の水準への正常化が見込まれ、米国市場では高額品およびブライダル需要が引き続き堅調に推移するとしている。また、インド市場も底堅い成長が期待されるほか、欧州市場ではゴールドの低純度化とともにプラチナのシェア拡大が期待されるとしている。
■プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)について:
PGIは、プラチナジュエリーに関する消費者市場および流通市場の創出、拡大、強化を目的とした世界的なマーケティング組織である。世界の主要なジュエリー市場に拠点を構えており、ジュエリー小売業者ならびにメーカーとの連携により需要創出のための活動を展開している。