田中貴金属工業株式会社(本社:千代田区丸の内、代表取締役社長:岡本英彌氏)より、2011年の年間投資用金地金の販売量と買取量が発表された。
それによると、2011年1年間の金地金の国内年間平均価格は4,060円/gとなり、2010年年間平均の3,477円/gを550円以上上回り、1980年以来、31年ぶりに年平均価格で4,000円/gを突破している。
(1980年金地金平均価格4,499円/g、平均国際価格612.13ドル/トロイオンス、当時年平均1ドル=227.83円)
■2011年、金地金の国際価格の推移とその背景
2011年初め、1トロイオンス1,300ドル台を推移していた金の国際価格は、北アフリカ・中東情勢不安など地政学的リスクの高まりから上昇し、4月に米格付け会社が米国債の長期格付けの見通しを引き下げたことから1,500ドル/トロイオンスを突破。7月には、欧州財政に対する先行き不透明感の拡大や米債務問題に対する不安感の高まりから、1,600ドル/トロイオンスの史上最高値を更新した。
8月に入ると、米格付け会社が米長期国債の格付けを1段階格下げしたことを皮切りに、わずか1ヶ月の間に1,700ドル/トロイオンス、1,800ドル/トロイオンスの大台を超え、1,886.5ドル/トロイオンスを記録するなど、250ドル以上も上昇。9月5日には、1,896.5ドル/トロイオンス(ロンドン・フィキシングベース)の現物市場での史上最高値を記録した。
以降は、一気に上昇した金価格に対しての戸惑いと、欧州財政金融危機の高まりによる欧州系銀行に対する警戒感の拡大などから、手元流動性確保のための現金化の動きが活発になったことに加え、米先物市場の証拠金引き上げの発表などもあり、1,600ドル/トロイオンスを切る場面を見せた。
その後、中国のインフレ懸念や各国中央銀行などの公的機関が金の保有を増加させる動きなどに下支えされたことにより、年末にかけてユーロへの不安が広がる中、12月の月平均価格は1,652.52ドル/トロイオンスと依然高値圏で推移している。
■国内価格推移
日本の国内金価格は、国際価格の上昇と共にともに価格を上昇させ、4月に4,000円/gの大台を突破。
1ドル80円を切る円高が進む中、円高をのみ込む勢いで上昇を続け、7月には月平均価格でも4,000円/gを超え、8月23日には1980年9月以来、31年ぶりに4,700円/gを超える4,745円/gを記録。税込み価格で4,982円/gとなり、税込み価格ながら5,000円/gをうかがう高値圏で推移した。
9月以降、国際価格の下落の影響で4,000円/gを切る場面もあったが、下落局面での新興国の買い意欲も根強く国際価格自体が高値圏で推移していることもあり、7月以降は月平均価格4,000円/gを切ることなく、2011年の年平均価格も1980年以来31年ぶりに4,000円/gを超える4,060円/gとなった。
■金地金の販売量
金地金の販売量について、2011年上期(1月~6月)は前年同時期に比べ、20.8%の減少だったが、2011年下期(7月~12月)は前年同時期に比べ55.0%増加。通年では、2010年に比較して10.3%の増加となっている。
■金地金の買取量
金地金の買取量は、前年同時期に比べ2011年下期(1月~6月)は4.4%の減少。2011年下期(7月~12月)は前年同時期に比べ、77.1%の増加となっている。
7月以降は、月平均価格が4,000円/gを切らない31年ぶりの高値圏で推移していたにも関わらず、2011年下期に買取量とともに販売量も大幅に伸びていることから、田中貴金属工業では、
「景況不安の中、高値件でも国内の投資化の金投資への意欲が高く、投資商品としての認識の広がりがうかがえる」としており、
また、「金価格が高値推移する中、アメリカ、フランス、ロシアなど各国で実施される首長選挙や、依然続く欧州ソブリンリスクの動向、イランの核開発問題などに市場の注目が集まることが予想される」としている。
※本文中の金・プラチナ価格は全て税抜き小売価格。