2025年3月11日から6月15日まで、 国⽴⻄洋美術館(東京都台東区上野公園 7-7、館⻑ 田中正之)にて小企画展「梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美」が開催されている。
鮮やかな色彩ときらめき、新コレクションお披露目!
2024年12月、国⽴⻄洋美術館にジュエリーアーティストの梶光夫氏より新たな工芸コレクションが寄贈された。数にしておよそ150点。そのほぼすべてがエマーユの作品である。「エマーユ」は仏語のカタカナ表記で、英語にするとエナメル、日本ではふつう七宝と呼ばれている。つまりエマーユとは、金属の下地にガラス質の釉薬(うわぐすり)を焼き付けた工芸品を意味する。選りすぐられた珠玉のエマーユからなるこの新たな「梶コレクション」が本展でデビューすることとなった。
梶コレクションについて
梶コレクションは19世紀後半から20世紀初頭のフランスで制作されたエマーユ作品が中心で、多彩なラインナップを揃えている。コインのような小さな単体や、ジュエリーに仕⽴てられたもの、小箱のふたを飾るもの、そしてカンヴァス画のような額縁に収められた大ぶりものまで、エマーユの姿形はさまざまです。その多くに、アール・ヌーヴォー時代の息吹を感じ取ることができることも、本コレクションの大きな魅力のひとつ。
本展のみどころ
今回の企画では、寄贈品以外に梶氏が所蔵するアルフォンス・ミュシャのポスターやエミール・ガレのガラス器、ルイ・マジョレルの家具等を加えて、当時の美術・工芸の豊かな世界の一端を感じ取ることができるような展示空間を演出している。鮮やかな色彩と繊細なきらめきが最大の魅力であるエマーユ。そうした魅惑的な光に満たされた小さな展示室に、ぜひお越し頂きたい。
【開催概要】
<展覧会名> 梶コレクション展―色彩の宝石、エマーユの美
Shimmering Beauty: A Debut Display of Enamels of the National Museum of Western Art's Kaji Collection
<主 催> 国⽴⻄洋美術館
<会 期> 2025年3月11日(火)〜6月15日(日)
<会 場> 国⽴⻄洋美術館 新館2階 版画素描展示室
(〒110-0007 東京都台東区上野公園 7-7)
<開館時間> 9:30〜17:30(金・土曜日は 20:00 まで)
※入館は閉館の30分前まで
<休 館 日> 月曜日、5月7日(水)ただし、3月24日(月)、5月5日(月・祝)、5月6日(火・休)は開館 ※開館時間・休館日の最新情報は国⽴⻄洋美術館公式サイトトップページ「お知らせ」を参照のこと。
<観覧料(税込)> 一般500円、大学生250円 ※高校生以下および18歳未満、65歳以上は無料、心身に障害のある方及び付添者1名は無料。(入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳を提示)
<公式サイト>https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2025emaux.html
<問合せ>050-5541-8600(ハローダイヤル)
<国⽴⻄洋美術館公式サイト>https://www.nmwa.go.jp/
X @NMWATokyo / Facebook @NationalMuseumofWesternArt / Instagram @NMWATokyo
【関連プログラム】
プログラムの詳細・申込は公式サイトを参照。
■オンライン講演会(要事前申込・先着順)
「エマーユとは?―炎が生んだ色彩の宝石」
飯塚 隆氏(国⽴⻄洋美術館主任研究員/本展担当)
4月19日(土)14:00 〜15:30

ポール・ボノー《ルネサンス期ファッションの若い女性像》
1907年 梶コレクション 撮影:©上野則宏

シャルル・ルペック《ヴィーナスが描かれた脚付盃》
1863年 梶コレクション 撮影:©上野則宏

《愛の泉が描かれたピルケース》
1860年頃 梶コレクション 撮影:©上野則宏

《皇后テオドラ》19世紀後半 梶コレクション 撮影:©上野則宏
※作品はすべて国立西洋美術館蔵