米国の新「301条」関税発効、インド宝飾業界に重荷—競合比では2.5%優位も天然ダイヤ等の非課税化求む
(GJEPC)は25日、米国政府が7月24日付で従来の「122条緊急輸入制限(国際収支対策)」から「301条(不公正貿易対策)」に基づく新たな関税枠組みへ移行したことを受け、声明を発表した。インド産の宝石・宝飾品に対する追加関税は従来の10%に据え置かれたものの、業界にとっては引き続き厳しい輸出環境が続く見通しだ。
今回の措置は、米国貿易代表部(USTR)が世界60の国・地域を対象に実施した「強制労働による輸入品の排斥状況」に関する調査結果を受けたものだ。インドは強制労働による輸入品の輸入禁止措置を取り入れたことが評価され、低い部類となる「10%」の関税枠に適用された。これにより、12.5%の追加関税が課された中国、香港、タイ、トルコ、UAE、イスラエル、ベトナムなどの競合拠点に対し、2.5ポイントの相対的な関税優位性を確保した。
強制労働の疑いは完全否定、インド政府の迅速な対応を評価
GJEPCのキリット・バンサリ会長は声明の冒頭で、「インドの宝石・宝飾産業が強制労働に関与しているかのようなを示唆する見解を断固として拒否する」と表明。業界として長年にわたり持続可能な調達や労働環境の改善に注力してきた実績を強調した。
同時に、インド政府が外国貿易法(FTP)を改正し、強制労働によって生産された物品の輸入を全面禁止した迅速な対応を歓迎。「人権尊重と国際的な労働基準に沿った重要な進展である」と評価した。
15%超の関税負担、天然ダイヤ免税のEU勢との格差が課題
一方で、10%の追加関税の維持自体については「全く不当であり、輸出の大きな障害だ」と懸念を示した。
具体的には以下の課題が浮き彫りとなっている。
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天然ダイヤモンドの不公平感: ダイヤ取引の世界的拠点であるベルギー(EU)などは天然ダイヤモンドの追加関税が0%に据え置かれているのに対し、インド産ダイヤモンドには10%が課されるため、大きな価格競争力の差が生じている。
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宝飾品の関税率が約15〜16%へ上昇: 宝飾品(ジュエリー完成品)には、通常のMFN(最恵国待遇)税率である5.5〜6%に10%の追加関税が上乗せされるため、実質的な輸入関税率は約15.5〜16%に達する。
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ラボグロウンダイヤモンドへの影響: 急成長するラボグロウンダイヤモンド(人工ダイヤモンド)や合成宝石も、一律10%の追加関税の対象となる。
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原石加工の原産地問題: ボツワナやコンゴ民主共和国などアフリカの主要原石生産国は301条の対象外だが、インド国内で実質的な加工(カット・研磨)が施されたダイヤモンドは「インド原産」とみなされ、米国輸出時に10%の関税が課される。
GJEPCの今後の対応:2国間貿易協定(BTA)の早期締結を目指す
GJEPCは、天然ダイヤモンドや色石(カラーストーン)は宝飾品加工における不可欠な「原材料」であるとし、追加関税の除外対象(Annex III)として認めるよう強く求めている。
今後はインド政府と密接に連携し、早期の「米印2国間貿易協定(BTA)」の締結を通じて関税ギャップを埋め、米国市場におけるインド産ジュエリーの国際競争力を回復・維持させていく方針だ。