日本の宝飾品にデザインという観念を導入し、現代ジュエリーの基礎を築いたのはミキモトと故・菱田安彦氏(1927-1981)だった。
菱田安彦とは
菱田氏は東京美術学校(現東京芸大)を卒業後イタリアに留学。帰国後の武蔵野美術大学を拠点に作家、芸術運動のリーダー、教育者として活躍した。
作家としては伝統的な彫金技法を生かし、さらにデザインという付加価値を伴った作品としてのジュエリーを提唱して、それまで日本にはなかった新しい分野を切り開いたパイオニアといえる。
1964年には日本ジュエリーデザイナー協会(現社団法人日本ジュウエリーデザイナー協会)を創立して10年間理事長を勤めた他、当時世界的に権威のあったデビアス・ダイヤモンドインターナショナル賞を、日本人で初めて審査員に連続2期就任。その後日本人が世界的で活躍する先駆けとなった。
武蔵野美術短期大学の設置に参加して1965年には美術大学では初めてのアクセサリーコースを工芸デザイン科に創設して後進への道を拓き、以後武蔵野美術大学教授として同大学からは現在のジュエリー界を支えるジュエリー作家、ジュエリーデザイナーを輩出することになった。
見どころ
今回の展示会は菱田氏の没後30年を機に、有志の主催で1960-80年代の菱田氏の作品を紹介。合わせて菱田氏の導きを受けた“後継者”30人の作品も展示されている。
ここ数年海外ブランドの歴史的作品を紹介する展示会が相次いでいるが、日本のジュエリーの原点に立ち返り、これからの30年の出発点としてジュエリーデザインを見つめ直す絶好の展示会といえるだろう。
ジュエリー界の先駆者
菱田安彦とその後継者たち展
2010年3月18日(木)~3月23日(火)
東京・銀座 ミキモトホール ミキモト本店6階
主催「菱田安彦とその後継者たち展」実行委員会
実行委員長:斎藤昭嘉 副委員長:松江美枝子
実行委員:青柳典子 荒川芳秋 伊藤裕章 大島弥生 永井純子 中村ミナト 稗田真琴 松崎憲子
出品後援者:青柳典子 荒川芳秋 飯野喜美子 伊藤裕章 大島弥生 大橋春美 小原真知子 穂高かほる 木村春美 木村善明 倉本陽子 清水千枝子 菅原晴子 杉井惠子 高橋まき子 永井純子 中原栄子 中村ミナト 中村玲子 西澤弘子 西脇信子 貫井かず 服部純子 稗田真琴 福地恭子 藤田正 牧田純子 松江美枝子 松崎憲子 吉田桂子