2010年6月9日にパリにて開催されるサザビーズのアジア美術オークションにて、東州斎写楽作の浮世絵「市川鰕蔵 竹村定之進」が出品されることがわかった。
この作品は、写楽作品の中でも最高傑作のひとつとされ、当代きっての人気歌舞伎役者、市川鰕蔵が演じる竹村定之進(寛政6年/1794年に河原崎座にて演じられた「恋女房染分手網」の中の役名)を描いた大首絵。定之進は、不義の罪を犯した娘の身代わりに切腹するという悲痛な役どころで、その黒く太く書かれた眉毛によりその悲壮感が強調されている。
東京国立博物館、ボストン美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館をはじめ、世界中の著名な美術館に所蔵されているどの作品と比較しても、状態はトップクラスと言われており、剥落し易い雲母や、退色し易い青色も多く残っている。来歴も申し分なく、美術商で浮世絵の収集家として有名な「林 忠正」から、日本美術の収集家フランス人「アンリ・ヴェヴェール」の手に渡り、「アンリ・ヴェヴェール」コレクションとして、1974年にサザビーズオークションにて売却された。今回35年ぶりに公の場に登場することとなる。
サザビーズジャパンでは、4月20日(火)、21日(水)に半蔵門トウキョウオフィスにて本作品を一般公開し、広く日本からの入札を募る予定。