6月9日、サザビーズパリで開催された「アジア美術オークション」で東州斎写楽作の浮世絵「市川鰕蔵 竹村定之進」が33万6,750ユーロ(約3,670万円)で落札された。
竹村定之進は寛政6年(1794年)に河原崎座で演じられていた歌舞伎の演目「恋女房染分手綱」の中の役名。当時、当代きっての人気歌舞伎役者とされていた市川鰕蔵が演じた。
浮世絵「市川鰕蔵 竹村定之進」は、写楽作品の中でも最高傑作の1つ。
今回落札されたものは、剥落しやすい雲母(雲母摺:きらずり-浮世絵の技法)や退色しやすい青色も多く残っており、東京国立博物館、ボストン美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館をはじめ、世界各国の著名な美術館に所蔵されている同作品と比較しても状態はトップクラスと言われていた。
来歴も美術商・浮世絵の収集家として有名な「林忠正」から、日本美術の収集家フランス人の「アンリ・ヴェヴェール」の手に渡り、「アンリ・ヴェヴェール」コレクションとして1974年にサザビーズオークションにて売却。今回の「アジア美術オークション」で35年ぶりに公の場に登場した。
サザビーズジャパンでも4月20日・21日の2日間に半蔵門トウキョウオフィスでこの作品を一般公開し、広く日本からの入札を募っていた。
落札者はアジアの個人コレクターと伝えられている。
オークション参加に関する問い合わせは下記問い合わせ先まで。
「恋女房染分手綱」の竹村定之進は不義の罪を犯した娘の身代わりに切腹するという悲痛な役どころ。