「ダイヤモンドの相場を知りたい」という一般消費者や宝飾業者の要求に応えて、ネット上では小売価格・業者向け卸価格・買取価格など様々な「ダイヤモンド相場・価格表」が存在する。
そうした数ある相場表の中で、今最も注目されているのがダイヤモンドジュエリーのネットショップであるブースジャパン㈱の「ダイヤモンドブース」だ。グーグルで「ダイヤモンド相場」をキーワード検索すると上位にランキングされるほど、注目度が増している。
ダイヤモンドブースの相場表の特徴は、イスラエル、インド、ベルギーなど世界各地のダイヤモンド取引所価格から取得した平均60,000個以上のデータを元に、カラット、カラー、クラリティごとに算出した平均価格を毎日更新していることだ。これだけの個数の価格をオープンスペースで毎日更新しているのは、日本で唯一といっていい。
ダイヤモンドブースでは一般消費者向けに、ダイヤモンドルースやジュエリーを販売している他、一般の人は参加できない業者専用オークションへの取次サービスも提供している。
ブースジャパン代表取締役の本田篤志氏は、システム開発、FX(外国為替証拠金取引)、投資銀行などを経てイスラエルに居住し、ダイヤモンドビジネスをスタートさせた。同地でイスラエルダイヤモンド取引所取締役の知遇を得て、取引所内の大手サプライヤーとの取引やダイヤモンド在庫の管理システムを提供する会社などからデータの供給を受け、3年前ダイヤモンドブースを開設した。
昨年春に帰国後は、御徒町の業者市(いち)への参加や国内大手ダイヤモンド会社との取引開始、資産性商品の開発など消費者へのサービス拡大に努めている。事務所は「寅さん」で有名な東京・葛飾区柴又の老舗うなぎ料亭『川千家』ビル内にあり、本田氏は一時期、このうなぎ料亭の経営を手伝っていたというユニークな経歴の持ち主だ。
「イスラエルへは当初、イスラエルと日本のビジネスマッチングを考えて赴任しましたが、幸運にもダイヤモンドビジネスに出会ったことでこの道にチャレンジしました。ダイヤモンドは業者間取引によって底堅い相場ができていることが為替や金融商品と似ており、複数の情報ソースから得たデータのアベレージを出してみたらダイヤモンドの資産性をもっとクリアに伝えられるのではないかという発想が起点になっています。」(本田氏)
この相場表はダイヤモンド取引所で、GIAの鑑定書付きのダイヤモンドをサプライヤーがバイヤーに対して提示した価格。日本での販売価格は輸入諸経費や手数料が上乗せされるが、カットグレードによっては相場表よりも安い場合もある。また日本の大手ダイヤモンド輸入商社は鑑定書がついていないルースをロットで購入し、国内の鑑定書を付けるので値付けは各社の意向を反映したものになる。さらに日本国内ではリサイクルダイヤモンドが多く流通しているので一般的に海外相場よりも安いこともある。
ダイヤモンド相場表としてはラパポートが世界的なスタンダードになっており、ダイヤモンド業者はラパポートのチャートを指標として捉え、グレードなどによって20~35%割り引いて取引することが多いが、ダイヤモンドブースはその実勢価格に近いという。
「ダイヤモンド業界はピーク時に比べ3分の1ほどのマーケット規模になり、少子高齢化や結婚文化の変化もあって斜陽産業と見られています。しかし、ダイヤモンド自体の価値やグローバルなマーケットに注目するととても将来性のある商品と思われます。ダイヤモンドブースのサービスや取り組みが業界の活性化にすこしでも役立てば嬉しいですね。」
*ジャパンプレシャスの本ウェブサイトでは今後毎月1回、ダイヤモンドブースからデータ供給を受けて、ダイヤモンドの相場表とチャートを掲載する。毎日の更新はダイヤモンドブースのホームページを参照されたい。