中古のあこや真珠を蘇らせ2次流通へ
再生宝石(アップサイクルジュエリー)事業を行う株式会社貴瞬(本社:東京都台東区、代表取締役 辻瞬、以下当社)は、株式会社RSEラボラトリー(以下、RSEラボラトリー)と共同で、高品質な中古の「あこや真珠」に新たに呼称をつけ、2024年1月より「特別認定鑑別書」を発行する。尚、「特別認定鑑別書」は2024年1月17日(水)~1月20日(土)に東京ビックサイトで開催される『国際宝飾展』(IJT)の同社ブースにて初披露される予定。
■高品質なあこや真珠に新たに呼称をつけた背景
「あこや真珠」には一定の品質基準を満たした高品質な真珠に与えられる特別な呼称があり、呼称がついた真珠は消費者の需要も高い傾向。最近ではあこや貝の大量死に伴い流通量が減少している。
中古の「あこや真珠」を同社の技術でより良いものへと蘇らせ、多くの消費者へ届けていきたいと考え、RSEラボラトリーの正しい品質評価のもと、中古の「あこや真珠」を適切な品質・価格で消費者に提供していくべく、これまで呼称がついていなかった、“テリ・巻き”の評価がExcellent以上の真珠に3種の新たな呼称をつけた。
今回のコラボレーションでは、これまでの鑑別機関には無いリフレーミングな考えのもと、多様性が広がる現代に合わせ真珠においても価値選択の幅を広げていくことで、真珠の可能性をさらに広げていきたいという想いが込められている。
■特別認定鑑別書と新たな名称一覧
①「貴珠千宝(きしゅせんぽう)」
RSE基準に基づき、テリが非常に強く、巻きが非常に厚いものを「貴珠千宝」と命名。貴珠千宝とは美しく貴重な真珠も、もとは輝きのない無彩色な二枚貝の中から生まれたという意味がある。
<定義>
・テリ、巻き評価がExcellent以上
・6ミリ以上のあこや真珠であること
・形はセミラウンド以上であること
②「十二単(じゅうにひとえ)」
RSE基準に基づき、巻きが非常に厚いものを「十二単」と命名している。十二単は平安時代後期に成立した公家女子の正装で、着物を何枚も重ねている様があこや貝の巻きの層の重なりを想わせる。
<定義>
・巻き評価がExcellent以上
・6ミリ以上のあこや真珠であること
・形はセミラウンド以上であること
③「天鏡(てんきょう)」
RSE基準に基づき、テリが非常に強いものを「天鏡」と命名。あこや真珠のテリの美しさが、澄んだ湖の水面に映る幻想的な景色を想像させる。
<定義>
・テリ評価がExcellent以上
・形はセミラウンド以上であること
■RSEラボラトリーの真珠鑑別における特徴
真珠の品質要素には「形・巻き・キズ・色・光沢・サイズ・連相」がありますが、真珠の評価基準は国際的に統一された基準が存在していないため、各鑑別機関が独自に設定した基準で品質評価をしている。他社の鑑別機関では真珠の「形・色」を総合評価に含むところがある中、RSEラボラトリーと貴瞬では、真珠の形・色は「個性」として捉えており、総合評価から外している。宝石の条件には、「美しさ・稀少性・耐久性」がありますが、真珠において、美しさに該当する「テリ」、耐久性に該当する「巻き」は重要な品質要素である。巻きに関しては、RSEラボラトリー独自でレントゲン検査による※巻き厚測定を行っており、サイズごとの「真珠層体積率」から基準を定め評価している。今回のコラボレーションでは、宝石の条件である、「美しさ・耐久性」に該当する真珠の「テリ・巻き」をより重視した新しい価値基準を作った。※巻き厚‥‥核を覆う真珠層の厚み(出典:RSEラボラトリー 代表伊藤映子著 「有核養殖真珠の巻きの評価に関する一考察」)
※巻き厚‥‥核を覆う真珠層の厚み(出典:RSEラボラトリー 代表伊藤映子著 「有核養殖真珠の巻きの評価に関する一考察」)
■RSEラボラトリー代表取締役 伊藤氏より、コラボレーションの背景・想い
今回のコラボレーションは、以前から貴瞬の鑑別部門と鑑別技術の協力関係にあったことで実現に至りました。
真珠の品質要素の中で美しさを決定づける“テリ”と 耐久性に重要な“巻き”に特化した3つの特別認定品「貴珠千宝」「十二単」「天鏡」の展開をRSEラボラトリーが鑑別グレーディングの側面から確かな眼でサポートしていきます。
■RSEラボラトリーについて
RSEラボラトリー(公式ウェブサイトhttps://www.rse-lab.jp/)
では真珠について肉眼、顕微鏡での観察をはじめ、各種分析機器を駆使して様々な角度から真珠を検査・鑑別している。RSEの社名は Reel(本当に)、Superbe(素晴らしい)、Eclat(輝き)の略称で、以下の事業内容を使命としている。
・真珠の検査:宝飾品としての品質検査に合格した真珠であることを証明します
・真珠の鑑別&グレーディング:レポートを発行し真珠の詳細情報をお伝えします
・真珠の研究:経験を生かしつつ真珠鑑別技術の更なる向上を目指します
・真珠の教育:真珠の正しい知識の普及・啓蒙に努めます
■真珠鑑別品質レポート(RSEレポート)について
真珠鑑別品質レポート(RSEレポート)は、真珠製品を購入する方と、真珠製品を提供する販売店に役立つ書面となっており、品質分析によるグレーティング(等級づけ)をカードのQRコードからWeb上で詳細が見られるコンパクトなカードサイズのレポート。レポートには、真珠であるかどうかの鑑別結果に加えて、光沢・巻き・表面状態・連相については品質項目ごとのグレートなども記載されている。
■国際宝飾展(IJT)概要
名称:第35回国際宝飾展
会期:2024年1月17日(水)~20日(土)10:00~18:00(最終日は17:00まで)
会場:東京ビックサイト東展示棟
主催:RX Japan株式会社/一般社団法人日本ジュエリー協会
貴瞬ブース番号:27-17
同社では「未来のジュエリー業界」をテーマにブースを出展。生成系AIによる近未来を感じるようなデザインで、これからのジュエリー業界の未来を示す。
■貴瞬について
宝飾業界は、一見煌びやかなイメージがあるが、宝石産出国では強制労働や売上搾取、採掘におけるCO2の発生など、人権侵害や環境破壊など深刻な社会問題を抱えている現状もある。同社はそのような業界を変えて行きたい、これまで「無価値」とされ捨てられてきた中古色石を、買取りから販売まで自社で一貫して行うことで新たな価値を創造し、宝飾業界の概念を180度変えるビジネスモデルを確立させた。
「無価値」とされていた色石に初めて価値を付けた同社は、そのリフレーミングを、色石だけに留めず、あらゆる企業活動で「前提にとらわれない」ユニークな福利厚生や女性活躍など新たな価値を生み出し続けている。
同社は「リフレーミングカンパニー」を基本方針として定めている。リフレーミングは「前提にとらわれず新たな枠組みで物事を見る」という意味がある。「価値がない」と言われていた色石に価値を付け、そこから始まった貴瞬は、このリフレーミングカンパニーを基本方針とし、それに基づいた企業理念を定めている。