フランスを代表するハイジュエリーメゾン『BOUCHERON(ブシュロン)』は、9月21から23日までの3日間、新作ハイジュエリーコレクション“IMPERMANENCE(インパーマネンス)”を表参道ヒルズ地下3階「スペースオー」にて特別一般公開する。 『BOUCHERON』は毎年7月、創業の地・パリで「カルト ブランシュ コレクション」を発表している。2025年のコレクションである“IMPERMANENCE”は、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌ氏が自然の本質を追求し、日本文化の「生け花」や「侘び寂び」の哲学に着想を得て誕生した。植物や昆虫をモチーフにした全6作品で構成され、生命の誕生から終焉までを表現している。 会場では照明を落とし、ジュエリーのみに光を当て各作品の存在感を際立たせる演出がなされた。コレクションの最初の作品「composition n°6」では、チューリップやユーカリ、トンボをモチーフに、透明感と光に満ちた造形で生命の誕生を描き出している。花弁や羽根の表現にはホウケイ酸ガラスを用い、メゾンが誇る職人の手仕事によって細部の模様まで緻密に再現されている。 一方、コレクションを締めくくる「composition n°1」では、光が消え全てが闇に溶けていく様を通じ、自然のサイクルの終焉を表現。ポピーとスイートピー、蝶をモチーフにしたこの作品は、可視光の99.9%以上を吸収する特殊物質「ベンタブラック®」で表面加工を施しており、極限まで「黒」を追求することで、生命の終焉を見事に描き切った。 その他の作品でも、ブラックセラミックコーティングを施したアルミニウムやバイオ由来樹脂など、ジュエリーでは用いられることが少ない素材を採用しており、自由な発想・革新を追求するメゾンの姿勢が表れている。こうした試みは、伝統と前衛を融合させる『BOUCHERON』ならではのアプローチといえるだろう。 さらに、展示スペースの入口には、花道「みささぎ流」家元の片桐功敦氏によるアートワークが設置されている。片桐氏自らが山で選び抜いた草木や花を用いたダイナミックな作品は、“IMPERMANENCE”の世界観と見事に調和しており、入口から来場者の気持ちを高揚させる。ジュエリーと響き合うこの空間は、まさに生命の循環を感じさせる唯一無二の場となっている。