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宝飾業界ニューストップ > バックナンバー一覧 > 2026年05月08日
【2026年05月08日】

伝統技術と現代感性が融合―NEU & TIM、新作コレクションを披露―

2026年5月1日、パールジュエリーブランド「NEU & TIM」は、東京・六本木のラグジュアリーホテル ザ・リッツ・カールトン東京 にて、1日限定のプライベートイベント「Spring Salon 2026」を開催した。オンラインを主軸とする同ブランドにとって、実際に作品を手に取り、その質感やバランスを体感できる機会は貴重であり、来場者にとってもブランドの思想に直接触れられる場となった。

会場は、抽象画を背景にネイビーのクロスで統一された静謐な空間。過度な装飾を排した設えによって、ジュエリーそのものの造形や光の反射が際立ち、視線は自然と一点一点へと導かれる。限られた人数での案内ということもあり、来場者は慌ただしさから解放され、作品と向き合いながらデザイナーとの対話を重ねる、密度の高い時間となっていた。

今回のコレクションの中心に据えられていたのは、「Composition(コンポジション)」と名付けられたシリーズ。円と色彩がリズミカルに並ぶデザインが特徴で、“作曲”を意味するその名の通り、配色やパールの配置によって軽やかな調和を生み出している。アコヤ真珠の華やかな輝きを活かしながら、白と黒、光と影といった対比的な要素を繊細に組み合わせることで、シンプルでありながらも奥行きのある表情を実現。特にピアスでは、複数のパールをわずかにずらして配置することで、静けさの中に動きを感じさせる仕上がりとなっており、着用時にさりげない変化をもたらすデザインが印象的だった。

「Composition(コンポジション)」シリーズ
円と色彩がリズミカルに調和する「Composition」コレクション。作曲を意味する名の通り、軽やかな配色とアコヤ真珠の華やかな輝きが印象的なシリーズ。

制作背景に目を向けると、機械加工と手作業を組み合わせた工程が、ブランドの重要な基盤となっていることがわかる。パールは一粒ごとに微妙にサイズや形状が異なるため、並べた際に違和感が生じないよう細かな調整が必要となる。実際の制作では、職人が一つひとつのバランスを見極めながら仕上げていく工程が重ねられており、その積み重ねが最終的な完成度に直結している。さらに、ワックス原型の段階から試行錯誤を重ねることで、視覚的な美しさだけでなく、装着時のフィット感や重さのバランスまで丁寧に設計されている点も見逃せない。

「FLOAT(フロート)」コレクション
山梨・甲府に伝わる伝統技法「手摺り研磨」を用いたカラーストーンコレクション「FLOAT」。手仕事ならではの柔らかな光沢と温かみのある表情が、NEU & TIMの革新的なデザインと融合し、新たな輝きを生み出している。

また、今回のサロンでは一部アイテムにおいてカスタマイズにも対応しており、仕上げの質感やパールのサイズ、刻印などを選択できる仕組みが用意されていた。既製品を購入するだけでなく、顧客自身の感覚を反映させながら仕上げていくプロセスが組み込まれていることで、ジュエリーがより個人的な存在へと近づいている。

NEU & TIMのジュエリーは、いわゆるクラシックなパールジュエリーの文脈にとどまらず、アート的な構成力と日本の職人技術を掛け合わせることで、新たな価値を提示している。華やかさを前面に押し出すのではなく、日常の中に静かに溶け込みながら、確かな存在感を放つ。そのバランスこそが、同ブランドの現在地を象徴しているといえるだろう。
特筆すべきは、各アイテムが単体での完成度を保ちながらも、組み合わせることで新たな表情を生み出す設計にある。リングの重ね付けや、パールと地金のミックスといったスタイリングにおいても、バランスが崩れないよう緻密に構成されており、複数を合わせた際にこそその魅力がより立体的に立ち上がる。単体で完結するジュエリーでありながら、同時にコーディネートの中で拡張していく——その両義性こそが、NEU & TIMのデザインの核となっている。

「Liebestraum(リベストラウム)」シリーズ
白蝶貝とK10イエローゴールドを組み合わせたリバーシブルネックレス。ホワイトとゴールド、2つの表情を楽しめるほか、日本の技法による繊細な仕上がりが魅力となっている。

今回の「Spring Salon 2026」は、単なる新作発表の場ではなく、ジュエリーを介したコミュニケーションのあり方を提示する場でもあった。作品を“見る”だけでなく、“対話しながら選ぶ”という体験は、今後のジュエリー販売のひとつの方向性を示唆している。静かな空間の中で丁寧に積み重ねられた時間は、ブランドの思想そのものを体現するものだった。

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