インド宝石・宝飾品輸出振興協議会(GJEPC)は、7月15日に発効するインド・英国自由貿易協定(FTA)を前に、英国市場でのビジネス拡大を目的とした「インド・英国バイヤー・セラーミーティング(BSM)2026」を7月7日から8日にかけてロンドンのエミレーツ・アーセナル・スタジアムで開催した。
インド・英国FTAは、インドの宝石・宝飾業界にとって大きな転換点となる見通しである。英国向け輸出品の約99%が関税ゼロの対象となることで、市場アクセスが大幅に改善され、価格競争力の向上と二国間貿易の拡大が期待されている。恩恵を受ける製品は、ダイヤモンドジュエリー、カラーストーンジュエリー、シルバージュエリー、ラボグロウンダイヤモンドジュエリーなど幅広い分野に及ぶ。
GJEPCでは、現在約7億5,400万ドルであるインドから英国への宝石・宝飾品輸出額が、今後数年間で25億ドル規模へと3倍以上に拡大すると予測している。また、同分野における両国間の貿易総額も約70億ドル規模に達する可能性があるとしている。
今回で2回目となるBSMは、FTA発効直前という絶好のタイミングで開催され、インド企業20社と英国の有力バイヤー50社以上が参加した。英国の大手小売チェーン、卸売業者、独立系ジュエラーとの商談を通じ、新たなビジネス機会の創出と長期的な取引関係の構築を目指す。
開会式には、在英国インド高等弁務官事務所のニディ・マニ・トリパシ経済担当公使、GJEPCのキリット・バンサリ会長、英国宝飾協会(NAJ)のメディ・サーディアン会長、H&Tグループのケイティ・コッサム氏、ロンドン・アッセイ・オフィスのウィル・エバンス氏ら業界関係者が出席した。
トリパシ公使は、「インド・英国FTAは両国の経済連携を大きく前進させる歴史的な協定である。現在約560億ドルの両国間貿易を2030~31年までに1,200億ドルへ拡大することを目指しており、今回のバイヤー・セラーミーティングはその実現に向けた重要な役割を果たす」と述べた。
また、GJEPCのバンサリ会長は、「7月15日から実現する英国市場への無関税アクセスは、インド製ジュエリーの競争力を大きく高める。対英輸出を現在の7億5,400万ドルから25億ドルへ引き上げ、宝飾品分野における二国間貿易を70億ドル規模へ成長させたい」と期待を示した。
さらに、GJEPC国際展示会委員会のビジェイ・マングキヤ委員長は、「BSMはFTA発効後を見据えた市場開拓戦略の一環である。9月には『Jewellery Show London』でインドパビリオンを展開するほか、英国バイヤーをIIJS Premiereやジャイプールで開催するInternational Gem & Jewellery Show(IGJS)へ招へいし、両国間の継続的なビジネス拡大を図る」と説明した。
2025年のインドと英国の宝石・宝飾品貿易は、インドから英国への輸出が約7億5,400万ドル、英国からインドへの輸入が約30億7,000万ドルとなり、貿易総額は約38億3,000万ドルに達した。FTAの発効により、関税負担の軽減や市場参入の円滑化が進み、両国企業間の調達・販売ネットワークがさらに強化される見通しである。
GJEPCは今後も、バイヤー招聘事業や展示会、セミナー、ウェビナーなどを通じて輸出企業を支援し、FTAを最大限に活用できる体制づくりを進める方針である。インドを世界有数の宝石・宝飾品調達拠点として確立する取り組みを一層強化していく考えである。