例年されている作り手と使い手が交差する“場”である、職人力展がか下記の概要で開催される。
• 会期:2025年11月18日(火)~11月23日(日)
• 会場:大丸藤井セントラル スカイホール
(札幌市中央区南1条西3丁目2)
10:00〜19:00(最終日は16:00まで)
“顔の見えるものづくり”の13年と、これからの価値づくり
「作り手の顔が見える、使い手の顔が見える」──この言葉を旗印に、2012年12月、札幌で「職人力展」は産声を上げた。主催は「札幌貴金属工芸組合/技能士会」(現・北海道貴金属工芸組合)。B to B中心だった職人の世界を、B to Cへと開き、一般の人々に“職人の力”を届けたいという想いから始まった展覧会である。
🛠 錺職人を中心に、次世代へつなぐ布陣
初期の出展者の約7割は錺職人。残りは学生や若手作家たち。技術の継承と未来への橋渡しを意識し、子どもたち向けの銀粘土ワークショップもスタートしました。職人の技術だけでなく、ものづくりの楽しさや奥深さを伝える場として、職人力展は順調な滑り出しを見せた。
🌱 課題と変化──「伝える力」と向き合う
しかし、技術力が高くても、ブランド力や知名度がない職人たちが一般ユーザーとつながるのは容易ではありませんでした。「伝える」という部分がうまく機能せず、少しずつ職人の出展数は減少していく。
その一方で、技術を求める作家や、「伝える力」に長けた職人が増えていった。展覧会の方向性も徐々に変化し、当初の「職人の集まり」から、より多様な表現者が集う場へと進化していった。
🔗 Connecting Dotsの誕生──新しい価値の提示へ
こうした流れを受け、2025年、職人力展は新たなステージへ。職人力展の主催は「一般社団法人Connecting Dots」へと移行し、13回目の開催を迎える。
今年の職人力展は、「技術と物語が響き合い、新しい価値をつむぐ——つくる時間が、物語になる展示会へ」をテーマに、道外から招待した作家・職人6組を含む、総勢42組が参加。錺職人、作家、学生、そしてこれから職人・作家を目指す人々が一堂に会し、展示・Pop-up・ワークショップを通じて、来場者に“ものづくりの未来”を体感することができる。
✨ 職人力展2025の見どころ
- 多様な出展者構成:技術と表現の融合を目指す42組が参加
- 招待作品の存在感:道外からの職人・作家による刺激的な展示
- 体験型ワークショップ:子供から大人まで楽しめる、錫の鍛造や3Dペンによる立体造形など、他にはない “つくる喜び” を味わえる企画を多数展開
- Pop-upと対話の場:作品を“買う”だけでなく、“語る・感じる”場を提供
- Connecting Dotsの支援体制:出展者のブランド構築や顧客との関係づくりをサポート
「職人力展」は、単なる展示会ではない。技術と感性、伝統と革新、そして作り手と使い手が交差する“場”である。13年の歩みの中で、主催者は「職人力」とは何かを問い続けてきたという。そして今、Connecting Dotsとして、次の世代へとその問いを手渡す準備が整ったようだ。